残響の霧の中で

僕はここに囚われている。 過去の後悔や、言えなかった言葉、壊してしまったものたち―― それらが霧のように僕を包み、前にも後ろにも進めない。 足を動かしても、手を伸ばしても、触れられるものはなく、 胸の奥に小さく響く声だけが、僕に問いかける。「まだ逃げるつもりか?」と。 ある日、霧の中に微かな光が差した。 それは僕自身の心の一部のようで、かすかに震えながらも、 「ここから出る道は、自分の手で見つけるしかない」と教えてくれる。
ねこわさび
ねこわさび
気まぐれ投稿。