第一章 「初恋」
私の初恋はわずか3歳の頃であった。相手は同じ幼稚園に通う純という子だった。どこが好きだったのかは覚えていない。いや、3歳の私もどこが好きだったのかはわからないだろう。でも私は彼が大好きで、彼に会うのを楽しみに幼稚園に通っていた。そして驚くべきことに、私の初恋は難なく実ったのであった。手を繋いだりハグをしたり、私と純は幼稚園で1番有名なカップルになった。今考えると、幼稚園が幼児の合コンの場であったという事実はとてもおもしろい。これは母から聞いた話だが、私たちは幼いながらに婚姻届を書いていたらしい。
そんな愛で溢れた私たちだったが、この後別れることになる。私たちは遠距離恋愛というものを知らなかった。離れる=別れるだと思っていた。つまり、卒園と同時に別れたのだ。純は強かった。涙を見せず、私に最後まで笑顔を見せてくれた。反対に私は涙が止まらなかった。1番愛していて、1番自分を愛してくれた人と会えなくなるのだ。最後に私たちは青空の下で最後のハグをした。そして3年間の小さな初恋は終わったのであった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/9/18 22:52
ピルビン酸
女子高生です。
実体験を交えて恋愛小説を書けたらと思っています。
温かい目で見てくれると嬉しいです。