再会

再会
 セミの声が聴こえてきた。音が徐々に大きくなっていくに連れて目が覚めていく。 「あっつい…」 汗ばんだ体に鬱陶しさを感じる。僕が目を開けると薄暗い部屋にカーテンの隙間から、オレンジ色の光が差し込んでいた。眠ってから何時間経っただろうか。  今日は何年かぶりに合う友人との約束がある。まだ気怠い体を起こし、出かける準備を始めた。しばらく準備をしているとLINEの通知音が鳴った。 「今日は例の店予約しておいたからな」 画面を見て僕は少し憂鬱になった。予約されていた店は思い出の店だった。 「ふぅ…」 準備を整えた僕は重い足を引きずって部屋を出た。  店に到着した僕は案内された席に腰を掛け彼を待った。しばらくすると彼が姿を現した。
テツヤ