海と友

海と友
夕まずめ、俺と爺ちゃんは2度目の漁に出る。心許ない木船と投げ網が主だ。  だが毎月の稼ぎは上々。なぜかと言うと、俺たちには協力者が居る。沖へ船を出し、爺ちゃんが船のヘリを木片で叩く。木と木がぶつかるコンコンと言う音がどれほど遠くまで伝わっているのかは俺は知らない。 だが数分もすると、水面が揺らぎだす。海の作る波とは明らかに違う。近くまで泳いできたそれを見ると、知性を湛えた目と目が合った。下半身は大きい魚のようだが、上半身は人間の体に似ているような気がする。  「そら来たぞ。あいつらの動きをよーく見とけよ」  つい彼らに見惚れていたが、本題は漁だ。夢から覚めたような気持ちで、俺は網を手に取る。
殿
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