『未使用の感情』

第三章 外に出たはずなのに、しばらく現実に戻った感覚がなかった。 雨は降り続いている。街灯も、アスファルトの匂いも変わらない。 それでも、世界との間に薄い膜が一枚挟まったような違和感があった。 帰宅してからも、その感覚は消えなかった。 シャワーを浴び、濡れた服を洗濯機に放り込む。 いつもと同じ動作なのに、意識が半拍遅れて追いつく。 胸の奥で、あの鈴の音が鳴る。意識しなければ聞こえないほど、小さな音だ。
獅勇
獅勇
はじめまして だいぶ下手ですが良い作品を書けるように頑張ります!