本当の自分へ

……違和感は、もう誤魔化せない。 彼女の微笑みの奥に、俺は“誰か”を感じている。 ヴァイオレット嬢――いや、その奥に潜む存在。 深夜、俺は寮を抜け出して、ヴァイオレットの私室がある女子寮に忍び込んだ。  普段の俺なら考えられない行動だ。  俺は窓の外から、ヴァイオレットの私室の窓に魔法をかけて凍らせた。  凍てつく窓を見てヴァイオレットが顔を出す。  俺はヴァイオレットに女子寮の隅にある大木の根元に設置されたベンチに彼女を誘導した。  あそこなら、影に隠れればおいそれとは見つからない。
佐伯すみれ
初めまして。拙い作家ですがよろしくお願い致します。他にもNola、小説家になろうでも活動しています。