修理地獄!罪も整理整頓しちゃいます!

料理地獄を改善し終えた私は、アゼルと並んで歩きながら、次なる業務地へと向かっていた。地獄の奥にある、ひときわ静かな空間。そこは「収納地獄」と呼ばれていた。 「ここでは、亡者たちが自分の罪を箱に詰め込み続ける。整理もせず、分類もせず、ただ押し込むだけだ」  アゼルの説明通り、そこには無数の棚と箱が並び、亡者たちが黙々と罪の記憶を紙に書き、折りたたみ、箱に詰めていた。箱は膨れ上がり、蓋は閉まらず、棚は崩れかけていた。 「……これ、収納っていうより、圧縮爆弾じゃん」  私は思わずそう呟き、棚の一つに手を伸ばした。すると、バランスを崩した箱が頭上から落ちてきた。
佐伯すみれ
初めまして。拙い作家ですがよろしくお願い致します。他にもNola、小説家になろうでも活動しています。