第七話 成仏への道

「それでね。調べてみてわかったのよ。この学校、何年か前に死亡事故が起きているらしいよ」 隣の席の鈴木さんがなにやら嬉しそうに言った。 「ねえ、聞いてるの?」 「ん? ああ、聞いてたよ。志望校がどうしたって?」 「志望校じゃなくて、死亡事故! ねえ、どうしてそんなに眠そうなの?」 彼女の指摘通り、俺は途轍もない眠気に襲われていた。理由は明白。 「いやぁ、ちょっと。仮免試験があってね」 「へえ、神谷くん。教習所に通ってるの?」 「いや、俺じゃなくて」 俺が全てを言い終わる前に、鈴木さんは何かを察したらしくため息をついた。
吉口一人
吉口一人