第七話 成仏への道
「それでね。調べてみてわかったのよ。この学校、何年か前に死亡事故が起きているらしいよ」
隣の席の鈴木さんがなにやら嬉しそうに言った。
「ねえ、聞いてるの?」
「ん? ああ、聞いてたよ。志望校がどうしたって?」
「志望校じゃなくて、死亡事故! ねえ、どうしてそんなに眠そうなの?」
彼女の指摘通り、俺は途轍もない眠気に襲われていた。理由は明白。
「いやぁ、ちょっと。仮免試験があってね」
「へえ、神谷くん。教習所に通ってるの?」
「いや、俺じゃなくて」
俺が全てを言い終わる前に、鈴木さんは何かを察したらしくため息をついた。
0
閲覧数: 2
文字数: 908
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/10/3 22:33
吉口一人