希望への扉

希望への扉
 頭、首、背中、腕――機械に繋がれた身体で、ぼんやりとモニターを見る。何度確認しても、部屋の外に生体反応はない。  私は何も出来ないまま、永遠にも思える時を過ごさなくてはならないのだろうか。呼吸をしていないので、人間のように溜め息も吐けない。項垂れ、瞬きをした。  一瞬にして氷河期が訪れた。人間は死に絶えたかのように思われた。だが、私を造った博士は生き残ったのだ。 「お前の名前はエンドだ。この星がどうなってしまうのか、その目で見届けるんだ」  それが博士の最期の言葉だった。燃料が切れた部屋で、凍えて動かなくなってしまった。  生物はなんて儚いのだろう。環境の変化だけで、呆気なく命を落としてしまう。  もう一度、モニターをじっくりと見てみる。やはり、生体反応はない。  その時だ。
ナナミヤ
ナナミヤ
ファンタジー、時々現代なSSを載せています。エッセイも始めました。 気まぐれ更新です。 フォロー、♡、感想頂けると凄く嬉しいです♩ 他サイトでは連載小説など、小説家になろう、カクヨム、NOVEL DAYSで投稿しています。Prologue も始めました。 必ずフォロバする訳ではありませんので、ご了承下さい*ᵕᵕ お題配布につきましては、連載している『お題配布』の頁をご確認下さい。 小説の著作権は放棄しておりません。二次創作は歓迎ですが、掲載前に一言でも良いのでコメント下さい。 2025.1.23 start Xなどはこちらから↓ https://lit.link/nanamiyanohako お題でショートストーリーを競い合う『NSSコンテスト』次回2025.9.1.開催予定です。 第1回優勝者  ot 様