風の舞踏会
ビュウ、と風が吹く。
私はそれに押し流されて、硬いアスファルトの上を転がっていく。
飛ばされて、転がって、落ち着いたと思ったら、また飛ばされて。
ふと気が付いた。
そばで半透明な誰かが舞っていた。
私と同じように風に流されてきたのに、ふわふわと美しく踊っていた。
ああ、きっと、あなたは風の妖精なのね。
また、ビュウ、と風が鳴く。
私は押し流されて、でも、今度はあなたの元へ惹き込まれていく。
差し出されたその誘いに、そっと身を寄せて応える。
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カテゴリー: 詩・短歌
投稿日時: 2025/4/8 0:43
白椿
主に小説を書いてます。
気まぐれ投稿です。