声を聴いて 第四話
次の日も優斗は図書館に行ってみた。しかし愛の姿は無かった。
(毎日来てるわけじゃないのかな)
優斗は何となく身体障害者の事、聴覚障害について調べてみた。それで知ったのだが、聴覚障害の人は声帯に異常があるわけではない。声を発する器官は健常者と同じだ。ただ、正しい発音が分からないから話せないだけなのだ。
その日の夜、優斗は愛にリニエでメッセージを送ってみた。
『今日は何して過ごしたの?』
『今日は学校の友達と遊園地に行きました。優斗君は? 友達と遊んだりしてましたか?』
『うん。カラオケに行ってガンガン歌ったよ』
(だから何で嘘つくんだよ)
思春期の優斗にとって、愛に会うために図書館へ行ったとは言えなかった。
『カラオケかあ。行った事ないから分からないけど楽しいんでしょうね』
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/6/7 4:04
よしだひろ
まだ使い方もよく分かってません
童話を中心に色々書いてます
良かった点や悪かった点を率直に教えていただければと思います
よろしくお願いします