声を聴いて 第四話

声を聴いて 第四話
 次の日も優斗は図書館に行ってみた。しかし愛の姿は無かった。 (毎日来てるわけじゃないのかな)  優斗は何となく身体障害者の事、聴覚障害について調べてみた。それで知ったのだが、聴覚障害の人は声帯に異常があるわけではない。声を発する器官は健常者と同じだ。ただ、正しい発音が分からないから話せないだけなのだ。  その日の夜、優斗は愛にリニエでメッセージを送ってみた。 『今日は何して過ごしたの?』 『今日は学校の友達と遊園地に行きました。優斗君は? 友達と遊んだりしてましたか?』 『うん。カラオケに行ってガンガン歌ったよ』 (だから何で嘘つくんだよ)  思春期の優斗にとって、愛に会うために図書館へ行ったとは言えなかった。 『カラオケかあ。行った事ないから分からないけど楽しいんでしょうね』
よしだひろ
よしだひろ
まだ使い方もよく分かってません 童話を中心に色々書いてます 良かった点や悪かった点を率直に教えていただければと思います よろしくお願いします