自損
雨上がり。
そんなふとした瞬間の気付きに酔う常(トコ)しえに、汝は薄氷(ウスライ)の涙を授けた。
何故泣いているのかと汝に問えど、汝はそのどこか見据えた氷細工の瞳を、こちらに向けることはない。
ただ己の足元にあるのは、日々に薄らいだ焦げ臭く灰色に塗れた虚空だった。
その虚空の味をこの舌に転がし何を鑑みるというのか。腹に住むこの何かが休まることは無い。
どこか脆弱で卑劣で歪んでいる。
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カテゴリー: 詩・短歌
投稿日時: 2025/10/23 8:06
叶希
初めまして
かなきと申します。
主にファンタジーの小説
詩、作詞。を投稿します。よろしくお願いします