空島~エデンの園~

空に浮かぶ島。そこには人が望む、考えうる全てのものがあるともっぱらの噂であった。人々はそれをエデン(楽園)と呼んだ。 エデンは大海の上に浮かんでいると言うのが世界の通説で、その島へ辿り着ければこの世の全てが得られるという。 数多の船が海へと旅立ち、エデンを見つけられず、激しい波に揉まれて帰ってこない者たちは後を立たなかった。 荒波に揉まれる流星雨の夜。一隻の大きな帆船は大きな波に揉まれ海進んでいた。この船もやはりエデンを目指していた。 月明かりは波を照らす。月光は淡く紫に輝き、その美しくも荒く壮絶な波の様相を露わにしていた。 先に見えるは宙に浮かぶ島、エデン。 この船はすでに先人たちの記憶や経験からエデンの位置を調べ、その足元まで近づいていた。 船は荒波に揉まれながらも進んでいく。 やがて上にエデンが見えるほど帆船はエデンに近づくことができた。 ここで必要になるのは古の魔法。
Zeruel
Zeruel
趣味の範囲で書きます。 また、才能があるわけではないので、馬鹿にされると言い返せなくて泣きます。 不定期投稿