140文字小説+α その107 「逃亡」
「1グラム、1万円から。今、売れるのは4.5グラムまで。買う?」
繫華街の裏路地で、怪しい男に声をかけられた。
どうにかして逃げないと。
考えろ、考えるんだ。
「……同じくらいのドジョウを釣ったことがあります」
男が、首を傾げてる内に逃げた。
人通りの多い道に出た。そっと胸をなでおろす。
今更だけど、何だったんだ、あの逃げ方。自分でも、まったくもって意味が分からない。
私、釣りしたことないし。グラム1万円のドジョウってなんだ。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/4/5 23:55
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。
あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。
カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。