チケット

チケット
「だああああああ!!!!」 部屋に響き渡る俺の叫声。 それに驚いて飼い猫は飛び上がり、棚の後ろの物陰に身を隠した。 そんな事などお構いなしに、俺は畳もうと思った洗濯物のポケットを見つめて立ち尽くした。 「チケットが………………。」 その中にはグジャグジャに丸まった紙クズが、昨日まで夏フェスのチケットだったものが入っていたからだ。 焦ってそれを必死に伸ばしても後の祭り、すっかり印刷は擦り切れてその切れ端がボロボロと床を汚すだけだった。
Qoo
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素人ですが不定期で投稿します。 よかったらご覧下さい! 完結作→"Caminando"    →"まちのあじ"