愛情少女

私、雪月花奏は愛すべき人に愛情が湧かない。 そんなことに気づいたのはもうすぐ二十になろうっていう頃である。 別に愛情がないわけではない。 何なら愛情深い方である。 後輩ちゃんが突然いなくなった時は声をあげて泣いたし、母校には度々わざわざ何かしら理由をつけて訪問しているし、仲の良い人の愚痴と相談には親身に聞くことに定評がある。 ただ、ただ、愛す「べき」関係に愛情を持てないのである。
雪月
雪月
気が向いたら書く。 気が向いたら消す。 近くて遠い誰かの話。