第三章:小さな爪痕
光が産まれたひと月後、雪は光を連れて草平と街の自宅に戻った。
時が流れ、雪の自宅にも季節の彩りが戻ってきた。
雪の娘・光は、春の風と共にすくすくと成長していった。
明るく好奇心旺盛で、時に草平そっくりのいたずらっ子。
けれど、どこか山の匂いを感じさせる、不思議な子だった。
やがて光は保育園に通う年になった。
雪は朝、光を送り出すたびに胸の奥が少しだけざわつく。
(この子が“おおかみこども”だってこと、誰にも知られてはいけない。)
花から受け継いだ教えを、雪は光に丁寧に伝えていた。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/11/12 11:28
最終編集日時: 2025/11/12 11:29
エヴァンゲリオン