某小説家のセレナーデ

某小説家のセレナーデ
 忙しないこの季節に溜息を吐く黄昏時。  街を歩くと興味無かった駅のポスターや旅行雑誌のパンフレット、人々で賑わうショッピングモールが私の目には鮮明に映って見えた。 『この感情は憧れなのだろうか?』  疑問符と溜息を乗せたまま見上げるその夕焼けは雲一つなく、広く、紅く、綺麗でまだ遠いことが分かった。  もう咲きそうでまだ咲かない桜の蕾と少し暖かくなってきたこの気候に『コートは似合わなかったかな』と呟きたくなってまた溜息を吐く。
華蘭蕉(はなかんな)
華蘭蕉(はなかんな)
百合そうで百合くないでも結構百合な『だーくふぁんたじー』を書く小説家こと『はなかんな』です。小説内で多用する花言葉をトッピングか何かと勘違いしてる説がある。本人曰く花言葉のライブ感がたまんない。やっぱ花言葉よ。 だいたい毎日更新中。忙しい時は更新忘れるかも。連載中のお話の続きが気になる方はTwitterのリンクを辿ればいっぱい読めます。