本当の音を聞きたい

本当の音を聞きたい
 階段を上ってため息をつく。教室に入ろうとすると、いつも吐きそうになる。足がくすみそうになるのをぐっとこらえて、目を瞑りながら教室に入った。 「聖恋っ!おはよ。」 「お、おはよ、!」 未羽が私に飛びかかってきた。ぼんやりして読書をしてたせいか、ろくに声が出せなかった。 「宿題やってきた?」 「むず過ぎてほぼ空欄だよ、」 と私は苦笑する。 「まあ、仕方ないよねぇ。あたしもそうだもん、先生の話が聞いてらんなくって、ほぼ塾で勉強してる感じ。」 未羽も続けて苦笑した。 「あ、そうだ!これあげる。」
夜瀬 せり
夜瀬 せり
小説初心者ですがよろしくお願いします!!