えむ
3 件の小説母さんの手
母さんの手は、なんでもよくしてくれる。 おなかが痛いときには、母さんにさすってもらう。 そうしたら、痛くなくなる。 かなしいときには、母さんに抱きしめてもらう。 すると、元気が出てくる。 嬉しいときは、母さんとハイタッチする。 そしたら、力がみなぎってくる。 でもぼく、母さんがいないんだ。 母さん、一度でいいから、手をつながせて。 一度だけ。 でもやっぱりいいや。 母さん、ぼく自分でよくできるよ!
命の管理局
男はいつのまにか、見知らぬ書斎に立っていた。 前にいるのは、一人の老人だけ。アンティーク風の椅子に座って、机に向かい、羽根ペンを走らせている。 「新しい死人…。風上颯というのか。」 老人がぼそりと呟いた。 「ここは何処だ。説明しろ。」 男は老人にそう言う。 「管理局だ。お前は死んだようだな。」 男はハッとする。 30分ほど前、男は事故に遭った。大型のトラックが、出勤前の男を弾き飛ばす。 男の全身に痛みが走り、倒れ込む。その後、命を失ったのだ。 「お前は死んだ。今からお前の処理をしなくちゃならない。」 老人がそう言うと、男は戸惑って叫ぶ。 「ふざけることを言うな!俺は…、俺は…、まだ死ねない!」 「まだ死にたくない!」 男の叫び声が、しんとした書斎に響く。 「分からぬのなら、ついて来い。」 老人が羽根ペンを置いて、後ろの本棚を押す。その先は、森林のような空間になっていた。老人と男は、その空間に入っていく。 その空間は、異様な光景であった。無数の樹が生えている森の真ん中に、大樹が堂々と立っている。そしてその樹たちに生っているのは、光が収まっている瓶なのである。 「ここは、世の中を生きる人々の命の森だ。あの瓶を収穫すれば、その命は絶える。」 老人は淡々と話す。男は、まだ納得いっていないのか、険しい顔をしていた。 「あの瓶の中を見てみろ。」 老人は、瓶を指差した。 「ごく薄い黄色の光は、善行を意味する。」 老人は、こう続けた。 「光は、次に造る命に使う。」 「なんだと…?」 男は初めての光景に、言葉を失う。 「あの煙は…?」 「正確には霧だな。悪行を意味していて、悪魔に食べさせる。」 男は、しばらく木々を見つめた。 「そうだ。お前に『死人の炎』を見せよう。」 この空気を切り裂くように言った老人は、洞窟の中に入っていく。 その中は、さまざまな色の炎が、枝の上で揺れていた。 「自分の炎を見るか?」 老人はそう問いかける。 男は暫く考えて、答えを出した。 「……ああ。」 老人は、手の関節と血管に力を入れた。すると、老人の手の筋が光り出したのだ。そして、瞬く間に光が彩り出した。その光は、たちまち炎に変わる。 炎は、青は深い湖面のように静かに揺れ、緑は若葉を透かした陽光のようにやわらかく息づく。桃色は春風のような温もりをまとい、紫は夜空に溶ける星明かりのような神秘を宿していた。炎は、言葉を失うほどに美しかった。 「珍しい。色が動くなんて。」 「めず…らしい…?」 「ああ。炎の色には、それぞれ意味がある。青は冷静さ、緑は優しさ、桃色は愛情深さ、紫は芸術性だ。」 「これが…俺の…個性…?」 「ああ。目に焼き付けておくと良い。」 老人は微笑んだ。そして、洞窟を出て行く。 「戻るぞ」 男は老人について行き、書斎に戻った。すると、炎がパチパチと燃え上がる音がする。 「何が起こっている!」 男は慌てた。でも、老人は何も言わない。そして老人は、棚から、一つの瓶を取り出す。 「…有り得ぬ」 老人は、少し、いや、とても動揺していた。 どうやら、瓶に異常があるようだ。 瓶の中の光と霧は、いつも通り。だが、炎は異様に燃え上がっている。 「…っ!」 するといきなり、老人が苦しそうな顔をした。頭を抱えて倒れ込んでいる。 「おい!大丈夫か!?おい!」 男は老人を起こそうとするが、老人はぴくりともしない。すると、どこからか一枚の紙が落ちて来た。男は紙を握る。 『次の管理局局長 : 風上 颯』
運がいい私
私は可愛くなかった。 でも寧々はものすごく可愛かった。 仕草も、顔も、髪も、性格も、全てが可愛い。 だから寧々はモテた。 だけど私は嫉妬しなかった。 でも 「侑人くんが好きなの!」 と言われてからそうじゃなくなった。 そこから二人は付き合った。 でも中学卒業して高校入ったら 好きな人ができた。 かっこよくて、性格のいい人。名前は蓮。 そして告白した。 付き合えた。 でも寧々と侑人は 別れた。 喧嘩したらしい。 二人が別れた後の寧々からのメッセージがすごくて 『どうすればいいの?』 『望香は味方でしょ?』 って。 だから寧々をブロックした。 その後私と蓮は結婚して、 幸せな生活を送ってる。 後から思えば侑人は 顔もイケメンだし、運動もできる でも、女子の悪口を言う 「ブス」とか 「似合ってない」とか そのくせ否定したら 「性格悪すぎ笑」 と言ってくる 寧々にとってはイケメンでいい男だったのかも知れない 寧々にとっては都合が良かったのかも知れない。 でも 侑人がクズって事 気づかさせてくれてありがとう。