プロローグ:座標外の遺物(アウト・オブ・データ)
【AM 02:44 都市セフィロト・第9層 廃棄区画】
ホログラムのネオンが雨に濡れ、バグを起こした原色のノイズが路地裏の泥水に溶け出している。
「ハァ、ハァ……ッ!」
一人の男が、背後を何度も振り返りながら駆けていた。その腕には、物理管理局(MA)の検閲を逃れるための重重な電磁シールドが施された「銀色のコンテナ」が抱えられている。
「……逃げ切れると、本気で思ってるの?」
頭上から、鈴の鳴るような、しかしドスの利いた女の声が降ってきた。
男が仰ぎ見ると、錆びついた鉄骨の上に、一人の少女がしゃがみ込んでいた。フード付きのジャケット、露出した腹部には青く光る物理定義のライン。アンカー(祖月輪 凪)だ。
「よっと!」
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2026/2/22 6:22
最終編集日時: 2026/2/26 12:23
wato
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