いただきます。
いつからだろう。
食べ物を見ると、吐き気を催すようになったのは。
母が言った。
「食べ物全てに命があった」と。だから、感謝して頂く。そのために、「いただきます」という言葉がある、と。
その瞬間、私は自覚した。
命あったもの――私と同じように呼吸をし、心臓で身体中へと血液を送り出し、脳ミソでものを考える――を命ある自分は一部にして生きているということを。
家族で食事をする。その時必ずみんなで「いただきます」を言う。
私は弱々しく震えた声でそれを言い、ごめんなさい、ごめんなさいと心の中で唱えながら口に運び咀嚼する。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/3/28 14:51
久雅永遠
ものかき。