桜と神と機嫌次第

「いい加減桜が咲いた途端大雨を降らすのやめてくれないかしら?」 神々の中でも絶世の美女と称えられる木花咲耶姫が可愛らしい顔をムスッとさせながら声をかけてきた。 「あなたが、毎年桜を散らせるせいで花の精たちや人間たちが悲しんでいるのよ、雨を司る泣沢女神?」 「それは悪かったわね?可愛いお花たちにお水を上げたかったのよ」 そういいながら手元で雨雲を出して遊ぶ。聞く気などサラサラない。 「貴方のその親切心にはとっても嬉しいけど、だからって降らせすぎよ、人間たちの中でも警戒が出るほどの風と雨なんて、やり過ぎはだめなの」 そんなかっこいいセリフ、この子には似合わないな 「全く……ねぇ、泣きちゃん」 雨雲を操ってた手が止まる。 そんなふうに読んでもらったの何千年ぶりだろう。
桔梗
桔梗