紡希(つむぎ)が紡ぐ出会いの物語 5章 紡ぐものは言葉じゃない

 2か月が経ち、進路に関するプリントが次から次へと配られるようになった。いろいろ周りからは学んできたが、やりたいことはずっと見つけられないままだった。実はあの福餅をきっかけに、心理学に興味を持ったらしい。梅野さんとは違う道で、誰かの幸せを見守りたいんだと言っていた。私にできることって何だろう・・・。  家に帰り、また自分の部屋にこもってしまった。私だけが遅れている・・・。そう思ってしまったのだ。どうしてみんなには特別な瞬間が訪れるんだろう。  「紡希、おかえり。」 姉がそう言いながら部屋に入ってきて、私のベッドに座った。私のベッドは客用じゃないのだが、一人部屋になってから、家族はみんな来るたびにそこを使うのだ。嫌ではないが、寝落ちしないかが少し心配だった。でも、最近は誰もあまり来ない。仕事や勉強、一人暮らしで忙しいからなのか。昨日父との会話で久しぶりだったなと感じた。前と同じように小論の相談をして、アドバイスをもらったのだ。  「お姉ちゃん、今日はこっちにいるの?」  「うん。紡希を悩みの海から救うためにね。」  「ありがとう。でも、誰から聞いたの?」  「秘密!」 姉とは少しの間会えてなかった。サークル活動やボランティア活動、学部内での行事などがあったらしく、なかなか時間が作れないと言っていたのだ。  「今日はどうしたの?」
peach
Peachです🍑♡ 小説を書くことが趣味の学生です✍🏻🤍 学園ものを載せていくから興味があれば読んでみてね🍀📗 漢字が苦手なので、文字のミスは暖かい目で見逃してくださいww