君が残した手紙

第一章 ー君がくれた、最後の手紙ー  彼女は、僕に告白をしたことがない。  僕も、彼女に告白をしたことがない。  それなのに僕たちは、三年間、まるで恋人みたいに過ごしてきた。  朝は駅で待ち合わせて、一緒に大学へ向かう。昼は学食で隣に座る。講義が終われば、どちらからともなく「帰ろう」と言って、同じ電車に乗る。  休日には映画を観た。  彼女が観たいと言った映画を、僕は必ず覚えていた。僕が好きだと言った音楽を、彼女はいつの間にか口ずさむようになった。  誕生日にはプレゼントを贈った。  クリスマスには、少しだけ高いレストランへ行った。  周囲からは、付き合っているのかと何度も聞かれた。
水縹 詩雨
水縹 詩雨
みなはだ しう 作家、作詞家、作曲家 X⇨Minamata_novel 小説家になろう⇨王道恋愛系   Novelee ⇨失恋系  エブリスタ ⇨コンテスト用 アルファポリス⇨その他