秋のおくりもの

 学校の帰り道での話。ありきたりな通学路を歩いた。つい最近まで暑い暑いと吐露していた帰り道が、暑さに慣れてきた身体には寒いので静かになることが多かった。 そんなよくあることの中、毎日通る神社で明らかに変わってるものがあった。  一本の木だけ楓が赤くなっていた。赤くなるのにはまだ早いのに、私は気になってその木の近くまで行った。行ったら。 突然雨が降ってきた。これはあれだ、秋雨の一つだろう。一年ぶりだなーとは思えなかった。 なぜなら傘を持っていなかったからである。私は神社で罰当たりかもしれないが雨宿りすることにした。 そうして雨が止むのを待っていた私は、 きりぎりすが鳴くのを聴いた。
しんきユーザー
「演歌の花道」のナレーションと「夢グループ」のCMが好きなちょっと変わった人です 好きな本は「ハリー・ポッター」です