鳴らした音の行く先は 6-13

鳴らした音の行く先は 6-13
第六章十三話 番外編 心を開いて  施設の生活に飽き飽きしていた。周りはみんないい人たちでずっとここにいたいが、何もやることがない。  ただの気まぐれだった。いつも一人で本を読んでいて、落ち着いている。施設に来てからずっとそうだった。だから、興味を持った。どんな人なんだろうと。 「それ面白い?」  ただ、暇つぶしになればよかった。 「どうだろう。あまりわからない」 「だよなー。だったらあっちで俺とゲームしない?」  感情が伝わりにくい声で、こちらを見上げる。
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。