碧
冬の朝は、世界から音が消える。 雪が降った翌日は特にそうだった。 誰も踏んでいない道路を、俺は一人で歩いていた。白く濁った空気が肺に入るたび、胸の奥が冷えていく。 田舎の駅前のコンビニはまだ開いていない。 シャッターの前に自転車だけが倒れていて、昨夜のまま時間が止まっているみたいだった。
叶夢 衣緒。/海月様の猫
叶夢 衣緒。/海月様の猫
綺麗事が救いにならない夜の話。 正しさに置いていかれた感情と、 救われなかった青春の残骸。 優しい言葉ほど、いちばん痛い。 2023年 2月27日start 3月3日初投稿