ナイト・キャッスル 第十六話 主会議
カツン、カツン、と気取った音が『ナイト・メアリー城』、別名、『クイーンの館・本館』の一部の者しか知らない秘密の間に響く。
「早いわね。」
音のする方を少し見て、この館の主である女が無愛想に呟いた。
「メアリーは相変わらずねー、もうちょっと可愛げがあってもいいんだよ?」
女は一部からメアリー、と呼ばれていた。こう呼ぶ者はこの世界でも数名しかいない。
「必要ないもの。」
「もしもの時に必要かもしれないじゃない、それに、みんなにも怖がられちゃうよ?」
甘ったるく、媚びるような声音で、つい先程やってきた女は言った。
0
閲覧数: 20
文字数: 2115
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2024/6/2 9:56
月宮ちさき
中学3年生の月宮です。
演劇部
よろしくね。