ナイト・キャッスル 第十六話 主会議

ナイト・キャッスル 第十六話 主会議
カツン、カツン、と気取った音が『ナイト・メアリー城』、別名、『クイーンの館・本館』の一部の者しか知らない秘密の間に響く。 「早いわね。」 音のする方を少し見て、この館の主である女が無愛想に呟いた。 「メアリーは相変わらずねー、もうちょっと可愛げがあってもいいんだよ?」 女は一部からメアリー、と呼ばれていた。こう呼ぶ者はこの世界でも数名しかいない。 「必要ないもの。」 「もしもの時に必要かもしれないじゃない、それに、みんなにも怖がられちゃうよ?」 甘ったるく、媚びるような声音で、つい先程やってきた女は言った。
月宮ちさき
月宮ちさき
中学3年生の月宮です。 演劇部 よろしくね。