短編小説 『屍の囁き』
とにかく、慌てていた。
最初の異変は、窓の外から見える景色に、人の内臓が転がっていた所から始まった。
「――――ぐぅッ!」
ドンドン、ドン、ドンドン。
そうやって何度も、玄関先を殴る様に叩いてくる異型の生物は。映画でよく見るゾンビの様だったと思う。
鼻先から異臭がして、吐き出しそうな悪臭に全身が突き動かされる。思わず瞠目したその先には、腐りきって、血臭い腕が三、四と伸びてきていた。それを木製ドアで必死に抑えて、俺達の家族はこの数時間生きながらえていた。
1
閲覧数: 23
文字数: 2418
カテゴリー: その他
投稿日時: 2021/10/24 22:09
へいたろう
適当に小説を書いている高校生です。
よろしくお願いします。
あまり他の方の物を読みません。気が向いたら反応します。