平安恋物語

平安恋物語
春の終わり。 御簾(みす)のすき間から、夕暮れの風がやわらかく流れ込んでくる。 わたしは香を焚きしめた髪を指で整えながら、 今日もまた、くるはずのない文(ふみ)を待ってしまう。 あの方に出会ったのは、たった一度。 桜の花びらが散りしきる夜、 月のしたでふと影が重なった。 「そなたの声、どこか懐かしい」
千歳飴
千歳飴
皆さんの要望に答えて小説を綴っております。 2025/11/15~