尖ったままの足元で

ホワイトボードの前にできる人だかりは、いつも一瞬で弾けて消える。 自分の名前がそこに「ある」と分かった奴らは、引き締まった顔でソックスを上げに部室へと戻り、「なかった」奴らは、声を失ったまま散っていくからだ。 人混みが引いたあとのグラウンドの片隅。俺は一人、静かになったホワイトボードを見上げていた。 上から順に並ぶ、見慣れたスタメンの11人。その下の、サブの欄。 俺の目は、無意識に自分の名前を探して泳ぐ。だけど、視線はどこにも引っかかることなく、ボードの一番下の白い余白へと滑り落ちた。 ――ない。今日も、俺の入る場所はどこにもなかった。 「おい、外周組、行くぞ」 同期の折原が、覇気のない声で俺の肩を叩く。彼の手には、サッカーボールではなく、黄色と赤のクシャクシャになった副審用のフラッグが握られていた。 「おう、すぐ行く」 俺は応えながら、ベンチに腰を下ろしてスパイクの紐を締め直す。
おまめ
おまめ
初めまして、おまめです 私の小説は恋愛小説がベースになります。儚い愛の美しさを表現できるように日々努力していきます もしよければ私の小説に一度目を通してみてください