死にたがりの国

死にたがりの国
 私の住む国は毎月3人が死ぬ権利を貰える。抽選で3人。この間は私の部下が1人選ばれた。嬉しすぎて顔を涙やら鼻水やらでぐしゃぐしゃにしていたほどだ。羨ましい。次の抽選は来週だ。選ばれるように私も仕事をしなければ。  ……また、抽選が外れた。毎日毎日薄暗い世界で日々死ぬために働いているというのに。 今回の抽選の1人には3歳の子供が選ばれた。どうして、あんな子供が選ばれるのだ。私は国に尽くしているのに。……考えていても仕方がない。次の抽選を待とう。  やった!ついに選ばれた!やっとだ。ここまで長かった。今まで頑張った甲斐があった!やっと、やっと死ねる…! …………。 ……。  今まで生きてきて、死ぬのか…?まだ結婚もしていない。あの本の続きも出ていないじゃないか…。まだ、まだ、やりたいことがある。待ってくれ、今は死ねない…!頼む…。
赤木
赤木
学生 初めまして。拙い文章ですが気に入って下さるととても嬉しいです。BL作品、ほの暗い作品多いと思います。思いつきで投稿することも多いです。