【第3回NSS決勝】雪道に残る足跡

“ドン”と、銃声が響いた。  娘が殺された。私が呑気に湯船に浸かっている間に、家へ侵入した男によって胸を撃ち抜かれたのだ。これだけでも私は心底絶望したが、その上犯人はまだ見つかっていない。  雪深い山奥の田舎に一人残された私は、ついにおかしくなってしまったのか、それ以来、家の前に犯人の足跡がくっきりと見えるようになった。雪が何度積もっても見え続けたのだ。私は、事件の証拠を残すべく娘が私に見せているのだと、思うことにした。そうしないと精神を保てなかった。  その数日後、私が猟銃の修理を頼みに街へと出向いた日の夜だった。普段は猟銃を持っているため感じることはなかったが、山道を丸腰で歩くことへの恐怖心から、だんだん近づく家の明かりに安心していた。そうして、ほっと息をついた、その時、後ろから銃口を突きつけられた。  振り返るとあの日の男がいた。私は無力に立ち尽くす他なく、ふと男の足元を見た。すると男は、あの足跡の上に立っていた。  その瞬間、私はようやく理解した。あの足跡が残り続けていたのは、男が毎日、私が丸腰になる瞬間を伺って、家を訪れていたからであった。 “ドン”銃声が響いた。
黒鼠シラ
黒鼠シラ
【予告】 黒鼠シラ短編集「number 6」近日公開します。未投稿の新作も収録予定ですので、是非是非投稿されたら目を通してみてください! 【N-1グランプリ】 次回開催 開始日 26/4/1 歴代王者 初代 美水小春 様 2代 ピリカ 様 3代 史 様 4代 有陽へいか 様 5代 花瀬詩雨 様 6代 七宮叶歌 様 7代 ひるがお 様 8代 ゴースとライター 様 【King of Novelee】 次回開催 開始日 未定 歴代キング 初代 ot 様 2代 ot 様 【黒鼠シラについて】 22/6/30 投稿開始 22/12/30 第1回N-1GP開催 24/1/1 新アカウントへ移行 25/7/24 サブ垢(ノラ戌)開設