告白1

「ずっと前から好きでした。付き合って下さい」  僕がそう言ったのは喧騒な居酒屋でのことだった。  愛を告げるにはあまり似つかわしくない。  僕の発した言葉はすぐに周囲の音に掻き消された。だが、目の前の女性には届いたと確信があった。  彼女の目に確かな驚きがあったからだ。   「え…」  彼女は戸惑いが隠せない様子で言葉を発せずにいた。
大福伯爵
大福伯爵
本と大福がとにかく好きな大福伯爵です。え?共食いだって?そんなの知らね。 Twitter @75tcYbDHoMkzt0H