紙切れ

私は亡くなった祖父の事が大好きだ。 季節労働者で、4月になると遠くに行ってしまう祖父。 見送りに行くと、すぐ帰ってくるよと言っていたけど、子供心ながらにそうじゃないことは分かっていた。 泣くのを堪えて手を振りながら、見えなくなるまでずっとその背を見つめていた。 そんな祖父に異変があったのは、定年退職後地元の漁師として働いていた最中だった。 パーキンソン病という、手足がガタガタ震える病に侵された。 日常生活は家族の援助なしには送れなくなった。
気ままなネコ
初心者です。よろしくお願いいたします。