また夏が来る

また夏が来る
波の音が大袈裟に聞こえる。 初夏にしては暑すぎるこの時期。 羽織っていた上着もサンダルも脱ぎ捨てて、海に足をつける。 1年ぶりの海を楽しむ私をあなたはまた遠くから見ている。 「ーーくんも来なよ!」 『俺、もう行かなきゃだから』 そう言って、私に微笑んでそのまま歩き出してしまう。 分かってる、お別れの時が来ることを。 でもまた来年、あなたがここに来てくれるかは分からないから。 急いで追いかけてそのまま後ろから抱きしめた。
いくら
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