Neck Girls #29

Neck Girls #29
婦人たちは、霊媒師の住処へ出発することにした。しかし、山道ということ、そもそも今まで見たこともない一本道で直線ということで、なかなかたどり着けず苦労することになる。 「…ッはあ、はぁ、ふぅ…」 普段から運動し慣れてない上に山道だ。婦人は息を切らしながらも草木をかき分け、登っていく。頼りになるのが住所と、あの適当な地図、そして着いた時にわかる目印のみ、ということで道のりはとても険しかった。思わず本音が漏れる。 「…もう!なんなのよ。なんでこんな場所まで行かないといけませんの!?」 でも、ここまで来た以上、引き返すことはできない。辺りは段々暗くなり、烏だろうか。不気味な鳴き声が聞こえてきた。しかも、あれ?だんだん鳴き声が近くなっている気がする。 すると、目の前の視界が一気に開けた。よく見ると、家だろうか。小屋のようなものがポツンと、そこに佇んでいた。 「もしかして……ここ?」 その小屋の周りには、確かに、一目見てわかる〝目印〟が数え切れないほどあったのだ。小屋を取り囲むようにアリの巣がボコボコとあり、そこら中に虫という虫が死んでいる。そして、その虫にアリが群がる、といった具合だ。小屋自体にも………蜘蛛の巣が沢山あって、どこが入口かわからない。う、うぅ…お爺さんの言う通りの〝目印〟だが…………。ここを通るのには…また別の勇気が必要だ。私は、マネキンヘッドを入れたダンボールを開き、彼女たちを見る。 いや、ここまで来たんだ。なんとか〝霊媒師〟に見てもらわらないと。 虫たちを踏まないよう、恐る恐る玄関らしきドアを探しながら前に進む。すると、何か唱えているような声が聞こえた。
すてぃぷ
すてぃぷ
こんにちは!すてぃぷです。生首をテーマにした作品『Neck Girls』を作っています(物語、LINEスタンプ、イラスト)。インスタはoz_ma21です。そちらの方もよろしくお願いします(*_ _)♡ 全ての連載を合わせたものが『Neck Girls』です