第4話

四話  お父さん。  あたしの、大好きなお父さん。  無意識に、ペンダントをセーラー服の上からぎゅっと握る。  そう、このペンダントは、お父さんがくれた、最後の贈り物だった。  三年前、お父さんは――突然いなくなった。  あたしは、この三年間、ずっとお父さんを待っている。  お父さんが家に帰ってきたとき、「おかえり」ってちゃんと言うために、あたしは嘘をついてまでこの街に留まった。  ずっと、ずっと会いたかったお父さん。
nonnki
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詩を書く人間です。小説もたまに書くかもしれません。 よろしくお願いします🙇‍♀️