不協の和音
何かを諦めるとき、コードを鳴らし損ねたギターの音が真空管を通る。
きっちり押さえないから、不協な和音が響く。押さえる指が分からないから、テンポについていけない。
居心地の悪さが拡張された音になって流れる。
ああ、これが失敗の感触だと、その度々に思い出す。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2021/11/17 13:50
いずさや
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