ひつじのうた

ひつじのうた
弟がひつじになってからいく日もたっていなかった。 数日前、協会で朝もやとともに枯葉を掃いていた弟は、玄関口でひつじになった。ビー玉のような瞳が、きらきらとゆれていた。 「わたしは」 そのとき、きっとすぐに抱きしめてあげたと思う。どんなおそろしいものが弟をひつじにしてしまっても、それは弟の内部に宿るかわいそうな心からくるものだとしっていたから。 「だけど...」
公文
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