魔王

殺して殺して殺しきれないほど殺して、また殺して殺して殺してきた。 いくら世界のためとはいえ、私もやりすぎたのだろう。次は私の番だ。 「魔王覚悟しろ!お前を倒し世界に平和を取り戻してみせる。」 「そうか勇者よ。やれるもんならなぁ!」 勇者よ。私はお前のようなものが正直羨ましいのだ。きっと私を倒したとて、世界は何も変わらないのだ。差別に虐待。世界では誰かが必ずどこかで泣いているのだ。世界が平和になるためには絶対的な悪がいるのが一番いい。 「なぁ勇者よ。お前に世界のことが救えるのか。」 「?あぁお前を倒すだけだからな!」 …やはり今回の勇者も外れだ。 この勇者では私を倒したとて何も変わらないだろう。 「悪いな勇者よ…いや、全てが無駄だったのかもな」
てまきまき
はじめまして