二人だけの世界
あるボロアパートの部屋にマットという若い男が住んでいた。
狭い木造建築の一室に、何枚もの絵が散りばめられている。
マットは老人のように背中を丸めながらひたすら絵を描いていた。
ずっと幼い頃から画家になることを夢見ていたが、一向に売れる気配すらない。いや、売る相手すらいない。
そもそも人付き合いが極端に苦手で恐怖を抱く男にどこへ行き、どこへ自分の作品を発表すればいいのかすらわからない。
昼は清掃の仕事をし、帰って来たら絵を描くというルーティンだ。
誰にも見せない作品を描き続けて筆を折らないかと誰もが思いが、ただ一人絵を見てくれる人がいた。
緑色の瞳の猫のスーだ。
スーという名前はマットがつけた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/10/9 11:24
ナマコ
初めて小説を書きます。
読んでいただいたら大変嬉しいです☺️