彼は誰の夢
−−(あぁ、夢だ…)。
ついさっきまでいた会議室ではなく、何処かで見覚えのある路地裏に立っていた。
明確に夢だ。なぜか頭が冴えて、そう答えを出す。
雑踏は聴こえてくるのに、人影は無い。
そんな不可思議さも、馴染んでしまう異様。空気感。
カツ、カツ、カツ……。
不意に聴こえた足音。革靴、というにはあまりにも響く。
気付くと、目の前に男が立っていた。
男。確かに男のはずだ。だが顔が見えない。
いや、見えないのではなく、『無い』のだ。顔そのものが。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2022/10/8 19:59
オミちゃん
文章好きのオミちゃんです。
ニワトリです。
どうぞ、よろしくです。