昔書いていた小説を見つけたので#2

 「いつもありがとうね。ゆうちゃん。」 「大丈夫ですよ。また困ったら助けますよ。」 老婆の家まで荷物を運びながらそんな事を言われる。 「じゃあ、僕は行きますので。」 「まって、これ、お小遣い。」 そう言って老婆は財布から2000円を渡そうとしてくる。 「そんな。大丈夫ですよ。ほんの少し人助けをしただけですので。」 「でもゆうちゃん、朝から晩まで働いて、まともに休んでないでしょう?だから受け取って。」 たしかに、朝から晩まで働いているが、それはお金に困っているからではなく、自分が働いていたいからなのだ。誰かの役に立ちたい。それだけなのだ。 「それでは、ありがたくいただきます。ありがとうございます。」
イキャメル
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