線香花火とカッターナイフ

 「今日から2年5組の仲間になる佐野愛佳ちゃんです。みなさん仲良くしてあげてくださいね。」 「...よろしくお願いします。」  パラパラと、けれどもそれなりに大きな拍手が、私に送られた。頭だけの礼を返す。 「それじゃあ、愛佳ちゃんは舞ちゃんの隣の席に座ってくださいね。」  教室の奥の方の席に座り、小さく息を吐いた。黒いハチが窓にぶつかり、小さく音を立てていた。 「私、白崎舞。舞って呼んでね。」  突然、隣の席の生徒が話しかけてきた。驚いたが、なんとか返事をして、 「え、えっと、じゃあ...舞、これからよろしくね。」 と言った。  舞は優しく微笑んで、それから前を向いた。
神月二千楓
学生です。黒歴史が大量発生すると思います。暖かく見守ってくれると嬉しいです。 サスペンスが書きたいのですが気力がなくて無理そうです。ペンネームは適当です。