江戸探偵譚 蕎麦屋

江戸に住む義吉は、蕎麦屋で夕食をとっていた。 「旦那、ざる蕎麦一枚おくれ」 「あいよ、にしてもあんた毎度くるけど、 それだけうちのそばが気に入ったのかい?」 三十(さんと)屋という店は、義吉に今話かけた 大柄な男の五郎丸と女将の夫婦二人で 経営している蕎麦屋だ。 「ええ、この辺じゃあ一番安いし、うまいもんで
ひまじん
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