仕事サークル

 近くて遠い未来。AIの技術発展が進み、人間が仕事をするということがなくなった。  今や、接客や警備員、工事も全てAIが考えて、AIが行う。  人間は、労働から解放されて、娯楽を楽しむだけの生活を送る。あまりにも退屈で、あまりにも贅沢な時代となった。  太田は、本も映画にも興味がないので、この時代は退屈であった。  なにかしたい。仕事がある時は、いやでも時間が無くなり、退屈を感じることが少なくなった。むしろ、娯楽を楽しむ余裕がないとすら思っていた。  だが、ここまで娯楽しか楽しむものがないと、退屈に耐えるしかなくなってしまう。  仕事がしたい。働きたい。  太田は、自分と同じような人はいないかと、SNSで検索してみた。すると、同じような人がいるようで、『仕事サークル』なるものを見つけた。  詳しく見てみると、AIが行っている仕事を人間が敢えて行う。『仕事が趣味な人にピッタリ!』というキャッチコピーにも、心を打たれた。太田は早速、この仕事サークルに参加してみることにした。 「あ、太田さんですね。ようこそ、仕事サークルへ!」
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。