戦慄!肝試し

滝のような蝉時雨の中、かえでは頭を抱えていた。あまりにも暇だからである。唸りながら床に大の字になると、十蔵がそれを覗いてきた。 「騒がしや、耳に轟く、蝉の声。かえで、心の俳句…。」 「夏バテか?」 「こんな暑さじゃバテないよ。なんだか暇だなぁって…。」 「んー、じゃあ肝試しでもやって見るか?」 かえでが勢いよく頭を上げた。ので、十蔵の額に激突した。 言い出しっぺの十蔵、かえでに加え、闇に溶け込むことが得意な才蔵が脅かし役となって、肝試しをすることになった。希望者は、佐助、鎌之介、伊佐、宝香に火垂。
澄永 匂(すみながにおい)
澄永 匂(すみながにおい)
連載中の作品は、金、土曜日辺りに更新予定です。 大学生&素人なので文章がぎこちないですが温かく見守ってください。 中学生の頃に作っていた話(元漫画予定だったもの)を書けたらいいなと思い、始めました。