道連れ

道連れ
 一年前、ガードレールの錆になったあいつと同じ道をバイクで走る。  海岸沿いの国道。空は晴れ渡り、体に当たる海風も心地よい。  あいつが最後に見た景色を、心の中で噛み締めた。  しばらく行くと、トンネルに入った。暗く長いトンネルの先は、緩くカーブしている様で、出口は見えない。  トンネルの中程まで来た所で、急に後方から現れたバイクが煽って来た。左右に蛇行しながら、ピッタリと後ろに着いてくる。 ││なんだ、こいつ。  舌打ちしてミラーを確認した俺は、そのまま凍りついた。
泥からす
泥からす
短くて、変な小説を書きます。ノンジャンルです。